■作者名
和(なごみ)
■サイト名&アドレス
なごみのお茶屋さん(
http://nagomi.chagasi.com/)
■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
D03 Gore -青き死神-
■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
こちらです。
■推理をかわすための作戦は?
・あまり書かない三人称
・前回の覆面で指摘された特徴(擬人化的表現、「まぁ」を含めた小文字の使い方)や、地の文における会話(Aは○○、と言った)をすべて排除。
・【】を使う
・普段使わない漢字をひとつ入れて錯乱(今回は閂)
■作品のネタを思いついたきっかけは?
テーマが「火」と決まった時、私の中でぱっと思いついたのは火葬場でした。
火葬場の窯って相当熱いんだろうなぁ、でも綺麗に骨が残るよねー。あれ、どうしてなんだろう?
(火葬場の窯について検索)
なるほど、ちゃんと温度調節して骨を残しているんだ。
(更に検索事項を拾う)
摂氏1700度以上だとほぼ灰になるんだね。その温度だと炎の色は……
(炎色反応について検索)
ふむふむ。赤よりも青や白の方が温度高いんだ。
キュピーン
(ひらめき☆)
よし、今回は人間が青い炎を出して死者を骨まで焼き尽くす話にしよう。自らの炎で死者を火葬し、弔うのが仕事です、みたいな。
死人と向き合う仕事なら職業名欲しいなぁ〜
(火に関する熟語を辞書ツールで検索)
あ「焚焼(ふんしょう)」ってのがいい感じ。職名は焚焼士にしよう。
(数時間位焚焼士の人物設定をぼんやり考え中)
昔伴侶(病死)を病気で亡くしちゃったとか、自らの能力で荼毘に付したとかが影があっていいかも〜
それなら奥さんの病気は何だったんだろう。
不治の病系? 若いから癌とか心臓系もありきただなぁ。
あとは伝染病? 寄生型の殺人ウィルスがいいね。
そうなると焚焼士はどういった方法で高温度の火を発生させ、ウィルスを死滅させればいいかな?
自らの血を浴びせるたり飲ませることで解決すればいいや。炎の色に合わせて血も青色にしよう。
でも青色の血って人外だよねー 仕事内容もアレだし差別を受けやすそうだな。
発症した時周りから危険視されて病死前に殺されそうになったから夫婦そろって逃亡したとか……
これが今年三月の話です。この時はまだ脳内プロットで人物設定だけ進めてて、焚焼士とその奥さんの結婚〜逃亡劇という柱がぼんやり浮かんだ状態でした。
その後、私生活が忙しくなったので5月終わりまで放置。それからPCでプロットに起こして登場人物の名と外見、世界観を細かく肉付け。更にひと月放置して六月終わりから執筆。書きあがったのが締切前日のことでした。
DBは最初、フェルディの二つ名で使う予定でした。奥さん死ぬ前まで傭兵として軍に所属して青い血を武器に幾つもの前線を壊滅に追い込んだ戦績を畏怖と賞賛を込めて命名。瞳の色もまっ青でした。
菫色に変更したのは焚焼士(またはその能力を持つ者)が希少であることと外見にインパクトを与えたかったからです。
なのでルーカスも必然的に瞳が菫色になり、焚焼士=ウィルス駆除者という式が成り立ったことで、焚焼よりもDBを強く打ち出していこうという風になりました。
タイトルを「Gore」はわりと早い段階で決まりました。血にまつわる単語を検索したら「襠」というもう一つの意味が出てセムの職業も針子になりましたし。
セム・ガウェはブータン王国出身。彼女の褐色の肌、という描写は高山地方出身故のものでした。(だからG10を読んだ時の興奮といったら。まさにこんな所よーと叫びたかったくらい)
名前の由来はブータンの言語であるゾンカ語のセム(心)+ガウェ(幸せ)から。
フェルディやルーカスの名前の由来は
こちらを参考にしました(笑)
物語全体の流れとしてはセムの針子時代(フェルディとの出会い)→発症のきっかけ→逃亡(フェルディ曰く「あの日」)→セムの故郷での挙式→新婚旅行(←今ココ)です。
詳細については別ページを設けて後日説明できたらと思います。
■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
1物語の背景
この話、ジャンル分けが難しいですが、私の中では現代ファンタジーとして捉えています。
今回は東インドが舞台。物語的にはセムの故郷で挙式→川を下って新婚旅行、という流れ。
勘の良い方は気づいたと思いますが、インドにはゴア(Goa)という観光地があります。
Goreを調べた時に偶然に見つけた第三の意味。これを使わずにはいられませんでした。
とはいえ、インドには一度も言ったことがないので、情報を片っぱしから調べるのに苦労しました。
2鳳仙花の概要と主な症状の説明
私、理系じゃないのでウィルスに対する知識をほとんど持たず(知ってるのはインフルエンザくらい)
とにかく桁はずれな高熱に弱いウィルスにしよう、というのがまず最初に決まって。そこから四段階の症状を事細かく決めました。
鳳仙花という病名は苦し紛れです。最初「天使」がつく病名だったのですが、執筆最後の追い込みで「天使」という言葉に違和感を感じまして、他に何かないかなーと寝不足の頭振り絞って出てきたのが鳳仙花。
これはEテレの
はなかっぱという番組の中で、はなかっぱが鳳仙花の種飛ばしてがりぞーを倒すというシーンからヒントを得ました。で、そこから花にまつわる隠語を想像して【種持ち】【花摘み】という隠語ができたわけです。
本当にギリギリのアイディアだったので、花言葉とかは全然気づかなかった……結果オーライとなりましたが、綺麗だとか素敵だとかいう感想を頂いたのに元ネタが河童なもので……何だかすみませんって感じです。
3患者を生きたまま焼却処分〜の設定
【種持ち】は捕まろうが逃げきろうが最後は非業の死を迎えるわけです。とはいえDBの炎自体は一瞬。なので熱いとか痛いの感覚を覚える前にあの世です。
でも、その直前の様子を直球で書くと読み手にかなりの苦痛を与えるの必至だよね〜そこはなるべく簡潔な文章で、間接的な表現を心がけました。
ちなみに生きたまま焼却にしたのは【種持ち】の血が外へ流れないようにする為です。
字数制限で書けませんでしたが、【種持ち】の血管はウィルス増殖のせいでかなり膨張しており、少しの傷でも半径m単位で飛散するという設定です。
(鳳仙花の種もちょっとの刺激で割れますよね? あれと同じです)
毒殺だと口から血が出る可能性あり。絞殺や溺死でも鼻や耳から血が出るかもで。ああでも凍死ならOKなのかな?
4物語の視点
構想は割とスムーズにいったのですが、三人称でも誰に一番寄りそって書くかで悩みました。
結果として当初の予定であったフェルディで収まりましたが、筆が止まった時はルーカス視点や第三者の視点(【種持ち】じゃない物乞いの少年)も書いておりました。
ちなみにルーカス視点では朝のいちゃらぶが盗聴されてて、そのあと食事のシーンでフェルディをねちねち虐めて「リア充め」と暴言吐きつつ、最後は非業の別れを遂げる夫婦の行く末を案じるといったもの。
第三者視点の時はフェルディが女性(名前はエミリーとか)セムが男性(名前と種持ち変わらず)という逆転バージョンで、こちらはセムを代表とする【種持ち】集団が世界やDBに蜂起するという話でした。
■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
ギリギリで書きあげた第一稿が七千文字だったので千文字削るのに苦労しました。
以下削ったエピソード
1セムが仕立てていた服
こちらは「カダ」と呼ばれるスカーフを縫い合わせて作ったものです。
セムの故郷、ブータンでは結婚式の時、参列者一人一人からカダを貰うのが一般的です。セムが使ったカダは吉祥や竜のの刺繍が施されていました。
2マーケットの前にわらわらする「物乞い」の風景。
この話に出てくる物乞いは一人ですが、本当はもっとたくさん出したかった。
インドでは「物乞い」がいるのが当たり前で、老若男女その種類も様々なのだとか。以前インドに行った友達もその光景にかなりショックを受けたと言ってました。
webの情報と友達の話を元に私なりの物乞いを詳細に書いたのですが、字数オーバーにつき、泣く泣く削除しました。
3ルーカスの相棒
野鼠は【種持ち】の臭いを嗅ぎわける探知機です。こちらも字数の関係で説明が抜けたー
野鼠の元となったネタは
こちら
4ルーカスがフェルディに手助けを求めた理由
「【花摘み】しすぎて貧血なんだよ」って言ってますが嘘です。
フェルディが本当に【種持ち】を灰にできるのかを試していたのです。
実はブータンからゴアに向かう船の上で、セムはルーカスと一度会っています。その時点でセムはルーカスの相棒(野鼠)に【種持ち】だと見破られました。
でも、後から来たフェルディがルーカスに「これは俺の(獲)モノだ」と宣言したことで、セムの処分は保留となります。
その後、セムはフェルディの目をかいくぐりルーカスと二度目の対面。その際セムは「夫ができなかった時は貴方が私を殺して」と依頼。
ルーカスがそれをフェルディに伝えたかどうかはうやむやだけど、「おまえがヤらないなら俺がヤっちまうぞ」というルーカスなりの意志表示でもあります。
5最後コテージが消えた理由
DBの仕事の中には【種持ち】が生前触れたと思われる所持品等や部屋の処分が含まれます。
本編ではフェルディが消しましたが、当初は(セムの依頼により)ルーカスが行う予定でした。
■その作品の続編または長編化のご予定は?
続編というか……何だかんだで心中エンド?(作者的には想定外)になっちゃったからねぇ。
本編より前の話(セムの針子時代〜フェルディとの出会い〜結婚まで)ならだいたいの構想ができています。でも書くには相当な気力を必要とするため何時書けるかは不明。
■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
野鼠が果物にぶら下がっている所。ぶらーん。
■推理期間中、褒められた点は?
世界観と設定が壮大と言われました→ 本当に、気がつけば大風呂敷敷いてしまって、どこを削ろうか迷いましたねぇ
新婚夫婦もっといちゃいちゃしなさい→冒頭のいちゃらぶとドジっ子奥さんは後半への伏線と読者サービスです(笑)少年漫画っぽい胸ポロを書きたかったんですよ。
冒頭がらぶなだけに最後が切ない→あえてそれを狙って書きました。今回は泣きの作品でいくぞ、と(ひどい)フェルディの心情を最後にさらけ出すことで、より強調されたのかなぁと思っております。
文章の結び方が綺麗。重くて切ない話なのに後味が悪くない→これは私の一番の特徴だと思います。暗くて怖い話を書こうとしても何だか綺麗にまとまってしまって恐怖が削がれるのは私の癖かと。
【鳳仙花】【花摘み】【種持ち】といった言葉が素敵→ネタ元がアレですみません。【花摘み】もトイレ用語だったりするんですよね〜
誤字と文章内の矛盾→感想読んでから気づきました。時間の計算間違ってたのはまさにギリギリの提出だったからです(汗
ルーカスとその相棒が気になる→
ルーカスはこの話の最大の誤算です。最初はねちねちと皮肉を言うキャラだったのに、何故か丁寧語で腹黒な奴になってしまったという。
そして彼の服装(ランニングにハーフパンツ)にリュックを背負わせたら
裸の大将じゃん。提出後に気づきましたorz男性陣の設定年齢、26歳でございます。
野鼠は最初キャサリンとかそんな名前をつけたかったけど文字制限の為カット。この話の癒し&マスコット的存在で出しました。嗅覚の鋭い彼女はルーカスとコンビを組んで1年ほどになります。
■推理されてみて、いかがでしたか?
行動だけを追う文章に関しては前回(perfume of mystery)や企画ページに置いてあったワンコ話と変わらないです。
三人称や行間、文章のリズム、人物設定の細かさから確保される可能性が高いと思いました。うまく騙せても消去法で捕まるんだろうな〜と。
いざ企画が始まったらDeathブロック配置にびびりましたが、私が以前書いた話に近いものや文体が似てるものがちらほら。
最初藤原探偵の推理を楽しく読んでいて(手書きメモが素敵でした)
塩中探偵の「流行りの時事問題を扱っている」にびくぅ(伝染病ネタはまさに偶然だったのですよ)
碓地探偵の文章の癖を徹底的に突き詰める根気強さ(位、欲しいの部分は私も気づかなかった!)
そこへ追い打ちをかけるようにやってきたのが
くまごろう探偵(ピンっ!)と覆面探偵!(ブログ、楽しく拝読しておりました)
そのうちD3=茅さんの風潮が高まってからあれ? いけちゃうのかな、と思った矢先に冬木探偵の登場!
「Go!Go!heaven」を読んだとのツイッター報告に魂もってかれました。
(面白い、の感想ありがとうございます)
ああ、ここまで調べてる冬木さんなら確保されちゃうなと思っていたのですが、推理結果読んでえ、えええーっ!
結果として完全逃げ切りとなりました。
嬉しいことは嬉しい。ですが、誰も気づいてもらえなくて、ちょっと淋しかったのも事実……
■正解以外に、あなたの名前があがった作品はありましたか?
D05 記憶(推理3、投票1)
D11 葬送(推理1)
D12 業火(推理3、投票3)
■あなたの作品の作者だと推理された方はいましたか?
茅さん×5
鈴埜さん×2
圧倒的に茅さん。そして【】フェイクで鈴埜さんでした。
覆面4の時も茅さんと同じブロックで、文体や作風が似てると言われました。
■推理してみて、いかがでしたか?
前に推理したのが覆面4なんですが、全然成長していやしない。
■あなたの推理はどのくらいの正解率でしたか?
70問中25問。正解率35%というorz 覆面4もひどかったですが、更にひどい。
次の覆面のときは私の推理を宛てにしない方が賢明かも。
■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
この企画は皆さまの熱意と優しさでできている!
三回目の参加で初めて自分のサイトに企画ページを作成しましたが……果たしてヒントになっていたんだろうかという疑問が。フェイクてんこもりだったんで参考にならなかったんじゃないかと反省。
ヒントとしては先にも述べた中編(ワンコの話)にある三人称と文章のリズム、細かい人物設定(設定厨ですね)
掌握については下から三作品
「古い約束」→人が死ぬ、ちょっと切ない別れ
「見えない壁」→鏡の話。冒頭でセムが鏡を見ている
「かえるのたからもの」→花の種の話
でした。言っておきますがこれは無作為に選んだもので意図的ではありません。開催日直前になって気づき、かなり慌てました。
その後何作か追加したのですが、「或る少女の災厄」では【】が出てきます。
で、思った。
作風を見るなら過去の夏祭り作品を遡った方がいいのかも。
「Gore」だとハードボイルド系の「昇銀竜菊先紅光露」とか、切ない系の「君といた夏」とか。Dブロックに多かった独白系の話なら「酸漿と道化師」とか。
開催時期もかぶるので、次の時は夏祭り作品をずらっと並べてヒント提出しようかと思います。
■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
B05 人類に炎を取り戻してくれたペンギンのお話(ペンギンスキーで出てくる人もお話も素敵。ヤンス最高。)
C04 ほんとうの救世主(まさかのSFオチ。Deathブロックよりも多く死者を叩きだした意味ですごい)
C12 緋蓮(色気と艶やかさに当てられた……両片思い万歳!)
D04 アマヤドリズム(まさにDeathブロックのシェルターで清涼剤)
E07 暁の女神と黄金の悪魔(※注)(愛だけのために国と部隊を殲滅した展開がすごすぎた)
■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
A01 世界の秘境から 〜夏だ!花火だ!お祭りだ!真夏の六千文字スペシャル〜 今回は通常放送より三千文字拡大版!豪華六千文字にてお届けいたします!
A02 真夜中のラブレター 〜男子学生より愛だけを込めて☆〜
A08 dead???:エンドorスタート
A12 IRCオリンポスログ@プロメテウス炎上
B12 キタキタ
C01 天翔る竜と天下無双のドラゴン娘!(仮)
C02 桜都狂騒劇場
C10 あなたの健康を損なうおそれがあります
D04 アマヤドリズム
E02 キドニーパイをひとくち
E03 火を目指して飛んでいけ
E06 ことのはに
F07 火のないところに煙をたてるお仕事です。
F09 千匹皮姫
F10 灯油あります。
G07 TOMOSU
G08 恋愛未満コンロ。
見てのとおり、今回のタイトル勝ちはAブロックですね。
■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
E02 キドニーパイをひとくち
飯テロと職人魂に胃をがしっと掴まれました!
E10 朱樂院家の焼失
瞳子黒幕説が離れない……色んな視点で想像すると十倍楽しめる作品ですね。
G07 TOMOSU
TOMOSU君のイラストを書いてしまったほどインパクト強くて腹筋崩壊したwww
ネジ子さん。企画運営進行お疲れ様です。この一カ月半、最初から最後まで楽ませていただきました。素早くきめ細かい対応ありがとうございます。
開催期間中はあまねさんの振り分けアカウントと藍間さんの覆面リストが大変重宝しました。今回探偵をされた皆さまにも推理の参考(カンニング)させていただきました。
文月夕さん、正解発表後に行われたチャットログ作成ありがとうございます。
本当、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。
このあと自ブロックの感想にとりかかります。参加された作家の皆さま、とても素敵な作品と感想をありがとうございました。
今回もひとつひとつの作品に感想を書かせて貰いました。私の書く感想は稚拙で読みにくい所もあるかもしれません。読み違え等ありましたらスル―して下さいませ。
また拙作への感想・ご意見は次回作への糧とさせて頂きます。
このあと、皆さまのお宅を訪問したり、ツイッターフォローに伺うかもしれません。作品への熱い愛を叫んでしまうかもしれませんが、その際は生温かい目で見守りください。